対数計算1
【高校数学の目次】
《数学Ⅰ・A》
数と式  • 根号計算  • 場合の数.順列.組合せ  • 確率  • 2次関数 • 2次不等式  • 集合・命題・条件・証明  • 正弦定理,余弦定理
《数学Ⅱ・B》
数学Ⅱ 指数関数.対数関数   
《高校数学Ⅱ / 指数関数・対数関数の目次》    が現在地
負の指数(1)  • 負の指数(2)  • 指数法則  • 指数計算(積・商)  • 有効数字の表し方   • 累乗根   • 有理数(分数)の指数(1)   • 有理数(分数)の指数(2)  • 指数と大小比較   • n乗比較   • 指数関数のグラフ  • 指数方程式(1)  • 指数方程式(2)  • 指数不等式  • 指数が対数のもの  • 対数の定義  • 対数計算(1)  • 対数計算(2)  • 底の変換  • 対数方程式  • 常用対数  • 指数・対数の大小比較(入試問題)センター試験,指数関数・対数関数
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■対数計算(1)(例題→選択問題)
 y=axaとする指数関数という.
例1 y=2x2 を底とする指数関数と呼ばれる.
  (これは2次関数 y=x2 とは全く別のものである.)

y=2x において,与えられた y の値に対応する x の値を表わすために,log2y という記号を導入し, 2とする対数という.
 log2y において,y真数という.

[ 対数の定義 ]aとする対数loga yの定義 )
y=axx=loga y

◎[重要]
 この定義により,ある対数が何を表わしているかは,指数の形に直してみれば分かる.

※ 高校では真数は「正の数」だけとする.
y=ax ( y>0 ) だから x=loga y ( y>0 )
例2 8=233=log28
 左辺の式と右辺の式は,どちらに書いてもよい.
8=23log28=3
例3 52=25log525=2
例4 3=log101000103=1000 となることを表わしている.
 《要点》
=底=log
 指数→対数,対数→指数のどちら向きに変形するときも
底は底,外は中,中は外
例題 次の式を指数の形で表せ.4=log216
解答 24=16
42=16 と答えると,式自体は正しくても,この対数を指数の形に直したものになっていないことに注意.

※ 同様にして 8=2 を対数の形に直せば
log82= は○ , log28=3 は×
【問題1】 次の式を指数の形で表せ.
正しい選択肢をクリックしなさい.以下の問題も同様.解答すれば採点結果が表示され,解説を読むことができます.見ているだけでは解説は出ません.
(1) log10100=2
210=100 , 2100=10 , 102=100 , 10100=2
(2) 5=log232
⇒ 25=32,  232=5,  52=32

532=2,  322=5,  325=2
【問題2】 次の式を対数の形で表せ.
(1) 34=81
⇒ log34=81 ,log381=4 ,log43=81 ,log481=3
(2) 0.1−3=1000
⇒ 1000=log−30.1 , −3=log10000.1

−3=log0.11000 , 3=log101000
 [ 特別な真数 1 , a ]
 a>0 , a1 となるどんな a についても
______a0=1 だから loga1=0 が成立する.
______a1=a だから logaa=1 が成立する.

※前半は「真数が1のときは,底が何であっても対数の値は0になる」ということ.
後半は,「底と真数が同じならば,底が何であっても対数の値は1になる」ということ.
例1 log21=0 , log22=1
例2 log31=0 , log33=1
例3 log101=0 , log1010=1
【問題3】 次の値を求めよ.
(1) log33
⇒ 0 ,  1 ,  3 ,  −1
(2) log51
⇒ 0 ,  1 ,  5 ,  −1
 [ 対数の和→真数は積 ]
 a>0 , a1 , M,N>0 のとき
______logaM+logaN=logaMN が成立する.
______例1 log54+log53=log5(4×3)=log512
______例2 log62+log63=log6(2×3)=log66=1 (※ logaa=1
(解説)
 指数で表わされた数の積については,次の関係が成り立つ.
axay=ax+y
この関係を対数の形で表わぜば上記の性質が証明できる.
すなわち,______ax=M , ay=N とおくと x=logaM , y=logaN
axay=ax+yMN=ax+y
  
logaM+logaN=logaMNx+y=logaMN

※ 注意
足し算がかけ算に等しいということではない.
  logaM+logaN ←#等しくない#→ logaM · logaN

「2つの対数の和」は「真数の積の対数」に等しいということ
  logaM+logaN ←○等しい○→ logaMN
【問題4】 次の式の値に等しいものを選べ.
(1) log102+log103
⇒ 1 ,  log105  , log106 ,  log10log103
(2) log123+log124
⇒ 0 ,  1 ,  log127 ,  log12log124
 [ 対数の差→真数は商 ]
 a>0 , a1 , M,N>0 のとき
______logaM−logaN=loga が成立する.

__例1 log618−log69=log6=log62

__例2 log612−log62=log6=log66=1(※logaa=1)
(解説)
 指数で表わされた数の商については,次の関係が成り立つ.
=ax−y

この関係を対数の形で表わぜば上記の性質が証明できる.
すなわち
______ax=M , ay=N とおくと x=logaM , y=logaN

=ax−y=ax−y
  
logaM−logaN=logax−y=loga
※ 注意
引き算が割り算に等しいということではない.

  logaM−logaN ←#等しくない#→ 

「2つの対数の差」は「真数の商の対数」に等しいということ
  logaM−logaN ←○等しい○→ loga
【問題5】 次の式の値に等しいものを選べ.
(1) log310−log32

log35log38log312log320

(2) log26−log23
⇒ 0 , 1 , log23 , log23 · log124


 [ 真数のn乗→対数のn倍 ]
 a>0 , a1 , M>0 のとき (n は任意の実数)
______logaMn = n logaM が成立する.

logaMnloga(Mn) を表わす.(logaM)n を表わすときは必ず「かっこ」を付ける.

______例1 log10(23) = 3log102

______例2 log381=log334 = 4log33=4 (※ logaa=1

分数→負の指数,累乗根→分数の指数についても成り立つ.
______例3 log3 =log33−2 = −2log33=−2 (※ logaa=1

  引き算の方が得意な人は次のように変形してもよい.
______ log3 =log31 − log39 = 0−2=−2 (※ loga1=0

______例4 log3 =log33 = log33=  (※ logaa=1
(解説)
 指数の計算において,(ax)n=ax n が成り立つ.
この関係を対数の形で表わぜば上記の性質が証明できる.
すなわち,______ax=M とおくと
ax=Mx=logaM
 
ax n=MnlogaMn=x n=n logaM
【問題6】 次の式の値に等しいものを選べ.
(1) log281
⇒ 3log24,   4log23,   2log34

4log32,   2log43,   3log42

(2) log4
⇒ −2−10, 1, 2

(3) log3

⇒ − 3 , ,
    , 3

 [ 係数があるとき ]
 a>0 , a1 , M>0 のとき (n は任意の実数)
______n logaM = logaMn

を利用して真数に吸収するとよい.

______例1 3log102= log10(23) = log108

次のような分数も「分数の指数」(=その意味は累乗根)に直せる.

______例2  = log49= log4(9) = log43


______例3 2log36 − = log362 log364

______= log336 − log364 = log336 − log34

______= log3 = log39 = 2

【問題7】 次の式の値に等しいものを選べ.
(1) 2log43
⇒ log45,    log46,    log48,    log49

(2) 
⇒ log103,   log1036,   log10

log103,   log1036,   log10

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