負の指数
【高校数学の目次】
《数学Ⅰ・A》
数と式  • 根号計算  • 場合の数.順列.組合せ  • 確率  • 2次関数 • 2次不等式  • 集合・命題・条件・証明  • 正弦定理,余弦定理
《数学Ⅱ・B》
数学Ⅱ 指数関数.対数関数   
《高校数学Ⅱ / 指数関数・対数関数の目次》    が現在地
負の指数(1)  • 負の指数(2)  • 指数法則  • 指数計算(積・商)  • 有効数字の表し方   • 累乗根   • 有理数(分数)の指数(1)   • 有理数(分数)の指数(2)  • 指数と大小比較   • n乗比較   • 指数関数のグラフ  • 指数方程式(1)  • 指数方程式(2)  • 指数不等式  • 指数が対数のもの  • 対数の定義  • 対数計算(1)  • 対数計算(2)  • 底の変換  • 対数方程式  • 常用対数  • 指数・対数の大小比較(入試問題)センター試験,指数関数・対数関数
♪♥ この教材は,高校数学の基本問題のうち,負の指数(2)の「マイナーチェンジありカバー版」「パソコン用」ページです.
♫♣ 元の教材が通信トラブルなどで読めないときに,こちらを使ってください.なお,学習の記録は付いていません.
■負の指数(2)
指数が正の整数であるときの「指数法則」については,既に理解していることとします.(→右欄参照)
この頁では「負の指数と0の指数」を定義します.
■負の指数,0の指数の定義
a≠0, nを正の整数とするとき
a−n= …(1)
a0=1 …(2)
(1)(2)←解説
指数が1ずつ増加するとき,式の値は底aの値だけ掛けたものになります.
逆に,指数が1ずつ減少すると式の値は底aの値だけ割ったものになります.
このようにして
a0=a1÷a=1,
a−1=a0÷a=,
a−2=a−1÷a=,
a−3=a−2÷a=,

a−n=,


(1)←別の解説
m<nのとき,次の式には負の指数が登場します.
am÷an==am−n


このようにして式a−2の意味をと決めると,
am÷an=am−nの計算で「負の指数」が登場してもよいようになります.
一般に a−n=と決めればよいことになります.

(2)←別の解説
m=nのとき,次の式には0の指数が登場します.
an÷an==a0


このようにしてa0の意味を1と決めると,am÷an=am−nの計算で「0の指数」が登場してもよいようになります.
≪復習≫
指数の定義:
指数(累乗)は底を何回掛けるかを表しています.
次の式でaを底といい,nを指数といいます.
an=a×a×a×… (←n 回)


指数法則:
am×an=am+n …(3)

a2×a3=(a×a)×(a×a×a)=a×a×a×a×a=a5
a2×a3=a2+3
am÷an= =am−n …(4)

a5÷a3==a2
a5÷a3=a5−3
(am)n=amn …(5)

(a2)3=a2×a2×a2=a6
(a2)3=a2×3
(ab)n=anbn …(6)

(ab)3=ab×ab×ab=a3b3
(ab)3=a3b3






注意!・・・見かけだけで「うっかりミス」をする生徒が多い
a−n に等しいのではない.に等しい.
a00に等しいのではない.1に等しい.
上の解説では指数法則(4)がm<nm=nのときにも成り立つように負の指数,0の指数を定義しましたが, a≠0, n, m は任意の整数(正,負,0)とするとき,

a−n= , a0=1と定義すれば
”指数法則” (3)(4)(5)(6)がそのまま使えるようになります.

以下の例において,途中経過は青で示したように負の指数を使って書くのがよく,最終答案は赤で示したように書くとよい.これは,高校生のうちでは意味が分からないまま負の指数や0の指数を使って答だけが合っているというのを防ぐためだと考えればよい.(高卒以上では負の指数のまま答にすることが普通に行われる.)

(3)→例
負の指数のまま計算すると
a−2a5=a−2+5=a3
定義に従って負の指数を分数に戻すと

a−2a5=×a5=a3
これらは等しいから,青で示したように単に指数の足し算をすればよい.

(3)→例
負の指数のまま計算すると
a−2a−3=a−2−3=a−5
定義に従って負の指数を分数に戻してから計算すると

a−2a−3=×=
これらは等しいから,最後の結果だけ赤で示したように書き直せばよい.
a−2a−3=a−2−3=a−5=

(4)→例
負の指数のまま計算すると
a−5÷a−3=a−5−(−3)=a−2
定義に従って負の指数を分数に戻してから計算すると
a−5÷a−3=÷=×a3=
これらは等しいから,最後の結果だけ赤で示したように書き直せばよい.
a−5÷a−3=a−5−(−3)=a−2=

(5)→例
負の指数のまま計算すると
(a−2)3=a−2×3=a−6
定義に従って負の指数を分数に戻してから計算すると

(a−2)3=()3=
これらは等しいから,最後の結果だけ赤で示したように書き直せばよい.
(a−2)3=a−2×3=a−6=

(5)→例
負の指数のまま計算すると
(a−2)−3=a−2×(−3)=a6
定義に従って負の指数を分数に戻してから計算すると
(a−2)−3=()−3= ==a6
これらは等しいから,最後の結果だけ赤で示したように書き直せばよい.

(6)→例
負の指数のまま計算すると
(a−2b3)−4=a−2×(−4)b3×(−4)=a8b−12
定義に従って負の指数を分数に戻してから計算すると
(a−2b3)−4=(×b3)−4 = = =
これらは等しいから,最後の結果だけ赤で示したように書き直せばよい.
(a−2b3)−4=a−2×(−4)b3×(−4)=a8b−12 =

問題次の式と等しいものを選びなさい.
 選択肢をクリックすれば採点結果と解説が出ます.見ているだけでは,解説は出ません.
(1) 2−3

0 1 2 4 8

(2) 20

0 1 2 4 8

(3) ( )−3

0 1 2 4 8

(4) a−2(a≠0)

0 1 a a2 a3

(5) a0(a≠0)

0 1 a a2 a3

(6) a2a−4(a≠0)

0 1 a a2 a3 a6 a8



(7) a2÷a−4(a≠0)

0 1 a a2 a3 a6 a8



(8) (a2)−4(a≠0)

0 1 a a2 a3 a6 a8



(9) (a−2)−4(a≠0)

0 1 a a2 a3 a6 a8



(10) a2÷a−2×a4(a≠0)

0 1 a a2 a3 a6 a8



(11) (a2)−4÷(a−3)2(a≠0)

0 1 a a2 a3 a6 a8



(12) (3−2×2)−1÷(3×2−1)−2

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