理科における有効数字の表し方
【高校数学の目次】
《数学Ⅰ・A》
数と式  • 根号計算  • 場合の数.順列.組合せ  • 確率  • 2次関数 • 2次不等式  • 集合・命題・条件・証明  • 正弦定理,余弦定理
《数学Ⅱ・B》
数学Ⅱ 指数関数.対数関数   
《高校数学Ⅱ / 指数関数・対数関数の目次》    が現在地
負の指数(1)  • 負の指数(2)  • 指数法則  • 指数計算(積・商)  • 有効数字の表し方   • 累乗根   • 有理数(分数)の指数(1)   • 有理数(分数)の指数(2)  • 指数と大小比較   • n乗比較   • 指数関数のグラフ  • 指数方程式(1)  • 指数方程式(2)  • 指数不等式  • 指数が対数のもの  • 対数の定義  • 対数計算(1)  • 対数計算(2)  • 底の変換  • 対数方程式  • 常用対数  • 指数・対数の大小比較(入試問題)センター試験,指数関数・対数関数
♪♥ この教材は,高校数学の基本問題のうち,有効数字の表し方の「マイナーチェンジありカバー版」「パソコン用」ページです.
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■理科における有効数字の表し方
■はじめに
 巨大な数、微小な数の表し方
 以下において「巨大な数」とは、例えば300,000,000というような大きな数字のことです。
 これに対して「微小な数」とは、−300,000,000というような負の数のことではなく、0.000,045,6のように0に近い数字のことです。
 巨大な数や微小な数を通常の書き方で書くと、「実際に意味のある数字(有効数字)がはっきり示せない」だけでなく「桁数を表すために多くの0を使わなくてはならない」ため、正確に表せずしかも無駄が多い。
 例えば、真空中での光の速さは秒速約300,000,000(m)という場合、で示した数字までは意味があるがで示した数字は信頼できない。(正確な値は299,792,458(m)で290,000,000(m)よりは大きく310,000,000(m)よりは小さいので、上から2桁目までが意味のある数字となっています。)

■理科における有効数字の表し方[指数表示]

 理科においては、巨大な数や微小な数を書くときは、有効数字の部分と小数点移動を表す桁数表示の部分を分けて、次の形で表されることが多い。
a×10n 1a<10 ,nは正負の整数)

例1 300,000,000の代わりに3.0×108と書く
この例では、数字の部分が3.0なので、「有効数字は2桁」であるといいます。

例2 0.000,045,6の代わりに4.56×10−5と書く
この例では、数字の部分が4.56なので、「有効数字は3桁」であるといいます。

注意:数字の部分には1.00···以上9.99···以下の数字を使います。
0.3×109 ← 数字の部分の使い方が違います
45.6×10−6 ← 数字の部分の使い方が違います
(参考:Microsoft Excelにおける指数表示)
 Microsoft Excelにおいて、計算の結果が巨大な数や微小な数になるときは、標準設定で3.0E+8とか4.56E−5のように表示されます。

 これらはそれぞれ3.0×1084.56×10−5を表しています。

 Eは指数を表す英語Exponentの略で、Eの後の数が10の何乗を掛けるかを表しています。その符号が正なら小数点を右に移動させて大きな数字にし、負なら小数点を左に移動させて小さくすることを表します。

≪問1≫ 次の各問題について、正しい答を選択肢の中から選んでください。

(1) 8205000を有効数字4桁の指数表示で表すと

8.2×103 8.205×103 8.2×106 8.205×106

(2) 0.0000306を有効数字3桁の指数表示で表すと

0.306×10−4 3.06×10−5 30.6×10−6 306×10−7

(3) 次のうち最も大きい数を選んでください。

1.8×105 7.3×10−7 8.03×102 6.30×10−4

(4) 次のうち地球の質量6.0×1024(kg)に最も近いものを選んでください。(単位はkg)

9.201×1023 3.01×10−4 5.9×1012 6.1×10−24

■指数表示された数字の掛け算と割り算
 指数表示された数字の掛け算を行うには、次の例のように「有効数字の部分」と「指数の部分」を別々に行います。
(3.2×104)×(1.7×105)=5.4×109
(1) 有効数字の部分は3.2×1.7=5.44のように、有効数字2桁のものと有効数字2桁のものを掛けたときは、四捨五入して有効数字2桁にします。
 有効数字2桁の数字を掛けているとき、?で示した数字は「あやしい」とすると、?が混ざってくる桁はすべて「あやしい」ことになります。この例では、上から2桁だけが信用できる数字になります。
(2) 指数の部分は、指数法則を使って104×105=104+5のように計算します。
■有効数字の桁数が異なる場合の取り扱い
 有効数字の桁数が異なるとき、計算結果に使えるのは少ない方の桁数です。
(3.1×10−13)×(3.21×105)=9.9×10−8
※割り算の場合も、有効数字の少ない方の桁数まで求めます。
 (3.26×10−3)÷(1.7×10−7)=1.9×104

※数字の部分を計算した結果が1a<10の範囲をはみ出したら、指数表示の10n10を必要数だけ貸し借りして調整します。
 (5.31×10−6)×(7.02×10−8)=37.3×10−14
=3.73×10−13
≪問2≫ 正しいものを選択肢から選んでください。

(1)1.03×3.14は、桁数を考慮せずに単純に計算すると3.2342となります。これを参考にして
(1.03×1011)×(3.14×10−6)
の結果を指数表示で表してください。

3.2342 3.2342×105 3.23×105 3.23×10−66

(2)8.32÷6.03は、桁数を考慮せずに単純に計算すると1.37976···となります。これを参考にして
(8.32×10−4)÷(6.03×10−18)
の結果を指数表示で表してください。

1.37×10−22 1.37×1014 1.38×10−22 1.38×1014

(3)1.236÷6.324×2.012は、桁数を考慮せずに単純に計算すると0.39323···となります。これを参考にして
(1.236×102)÷(6.324×10−9)×(2.012×10−4)
の結果を指数表示で表してください。

3.932×105 3.932×106 3.932×107 3.932×1015
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(4)8.3×7.064は、桁数を考慮せずに単純に計算すると58.6312となります。これを参考にして
(8.3×10−7)×(7.064×1012)
の結果を指数表示で表してください。

58.6×105 5.9×106 5.86×106 5.863×105
(5)1.23×7.2÷9.365は、桁数を考慮せずに単純に計算すると0.9456486···となります。これを参考にして
(1.23×107)×(7.2×10−2)÷(9.365×10−10)
の結果を指数表示で表してください。

9.4×1014 9.5×1014 9.46×1015 9.457×10−5

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